現場(レコーディングスタジオ)での制作は必ず体験すべき!

レコーディングスタジオの現状

以前の記事で、DTMで誰でも簡単に音楽が作れる時代になったと伝えました。そこで切っても切れない問題が発生するのがレコーディングスタジオ(レコスタ・スタジオ)の事です。

何が問題かと言うと

⇒DTMの普及・制作予算の削減
⇒レコーディングスタジオの利用が少なくなっていく
⇒当然儲からない
⇒縮小・閉業

など、多方にコネクションを持っていて且つ優れたエンジニアしか残らなくなってきてます。

レコーディングスタジオで行われてる事

基本、スタジオでは

  • レコーディング(音を録音する)
  • ミキシング(音を整える)
  • マスタリング(最終調整)

が行われています。

エンジニアの必要性

DTMで自宅でも完結できる時代ですが

全部自分でできるならレコーディングスタジオ、エンジニアは必要ないのか?

予算あるなら絶対頼むべき!やっぱりプロのエンジニアはレベルが違う!

実際のところ、DTMで自宅でも完結はできますが、よほどの実力者や時間のある人でないと高品質のクオリティを保つのは厳しいです。
個人でマスターまで仕上げた曲がヒットして、仕上がりが賛否両論出てる事もたまにあります(ミックスバランス悪い・音圧がありすぎて破綻してる、とか)。

レコーディング・ミキシング・マスタリングを行う現場のエンジニアは、長年プロとして数えきれないほどの案件をこなしています。(私も含め)家でチマチマやってるのとはワケが違い、機材の使い方やスタジオの空気感などありとあらゆる状況に対応できるので、仕上がりは独学でやってきた我々一般人とは雲泥の差です。

「やっぱエンジニアって凄かった!」って話

私はレコーディングの際にはProToolsを使ってます。導入した理由を端的に言うと【費用削減:スタジオで作業する時間の短縮の為に、自分でできることは自宅で行う】為にDAWを導入しました。

そんな自宅でチマチマ作業を行って、スタジオにデータを持って行きエンジニアに作業をお願いした時の話。

プロのDAW使うスピードと緻密さに愕然

基本的な動作、各パラメータのコントロールだったり、タイミングをずらしたり、全部が高次元。当時私には知らなかったプロの世界でした。

基本的な動作・使いたい項目がどこにあるか・プラグインエフェクト使うにしろフェーダーいじるにしろ、その1アクションが的確か?こればかりは言葉で説明しきれない部分がたくさんあります。レコーディングスタジオではほぼProToolsで作業が行われていますが、他のソフト使ってる方でも得るものは大きいと思います。

録り音の良さに愕然

「レコーディングスタジオ」なわけですから、当然「いいマイク」や「簡単に手に入らなさそうなアウトボード」など様々な機材を使っています。

そんなレコーディングデータを家に持ち帰って遊びがてらデータ開いてみると、やっぱ録り音がいいと、ミックスが超絶楽なんですよね。当たり前なんですが、そんなことも現場で経験しないと肌で感じれません。

ドラムを例に挙げると、生音と打ち込みの音を比べてみて、「もっとこうした方が空気の揺れ感じて生音に近いな」とか、自分の判断基準の底上げ⇒耳が良くなる⇒クオリティアップに繋がるので。

時間の合間を縫ってエンジニアにから技を盗む。しれっと。

レコーディングの合間を縫って、エンジニアを見たり聞いたりして習得していきました。当然、自分たちのレコーディング作業に時間を割いてもらって忙しい中なので、雑談してる時とか、ちょっと落ち着いたときに聞いてみるのもいいでしょう。
「これなんですか?」とか「さっきのどうやったんですか?」とか、しれっと。
マイクの位置だとか「ドキュメンタリー撮ってます~」とか言って撮っちゃってもいいんじゃないですか、しれっと。

 

とにもかくにも、DTMやる人なら一度は現場を肌で体感する事がいいと強く勧めたいです。※Youtubeとかで学ぶのもいいですが、やっぱ現場の空気は全く違います。
自分の作品以外にも、知り合いの現場に同行(機材の運搬の手伝い)とか、手はいくつかあります。
最前線で活躍するエンジニアの仕事を現場で目の当たりにしたら、自分が足元にも及ばないと感じるでしょう。ただ、自分自身の思い描く理想像(基準点)が上がるので、必ず今後に向けて大きな学びの機会になると思います。

 

大どんでん返し

ここまで語っておいてナンですが、ぶっちゃけ言うと音の良し悪しの正解なんて無いんですけどね!
ベースだけやたら大きくて、他のパートの音が潰れてしまっても、ノイズだらけで不快なものでも、制作者が「それでいい」って言うなら、それでいいんです。

「イイ音って何よ?」って10人に問いても、10人違う答えが返ってくるだろうし、「万人がイイ」って思えるような音の統計から「イイ感じ」のところを狙える人。制作者の意図に対して最速且つ的確に調整できる人。そうゆう人が優れたエンジニアであり、優れたDTMerなんだと思います。

 

それでも、現実は自分でやらなきゃいけない問題

ここからは私の現状。

現在私は、プロエンジニアにお願いするほどのことをやってるわけでもなく、レコーディングスタジオも優秀なエンジニアもいないような田舎で生活しているので、どうしても一人でやらなきゃいけない環境にいます。

バンドマン時代のレコーディング風景

※この日はミキシング。忘れもしない、十数時間の長丁場でした。

東京でバンドマンだった頃は本当に沢山の経験ができました。あの頃の様々な経験が無かったら、こうしてまた自宅で曲作ったり編集作業とかできてないでしょうから。

ですが現在は、スタジオで頭抱えながらあーだこーだ言って作り上げたりするようなフィールドにいないので、意地でもやらなければいけません。日々研究していかないと、DTMライフも中途半端で潰れてしまいますね。

ちなみに私の友人のギタリストは、自宅をDTM部屋とかではなくガチのスタジオにして日々研究してる人間がいます。正直そこまでできませんが、突き詰めていけばキリが無いものですよね。

現場を知るプロミュージシャンであれば尚更、エンジニアの必要性があるのかなぁと感じております。

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